大阪市内より【一戸建て 築20年以上 今まで一度も高圧洗浄とかしてない】って依頼が舞い込んできました。
もう少し詳しく言うと【トイレが詰まってる?流れない ラバーカップ使用すると流れるが少し経つとまた同じ様に詰まってしまう…】との事です。
更に言うと【他社を一度呼んで見てもらったが高額の支払いしたが『配管が割れてるからこれ以上は無理』と言われ結局改善されてないとの事】って話です。
自分の事を知ってる建築屋の社長様が『ひょっとしたら山川なら抜くかもしれない』ってウチを紹介して下さったそうです。
では、この現場がどんな感じの現場やったんか詳しく解説して行きます。
まずは状況確認から
現場に到着してまずは家の裏の汚水縦管まで案内されました。他社さんは掃除点検口を開けて更に配管の下にホルソーで穴を開けて水を抜き一時しのぎをして請求をしたそうです。
勿論、お客様はそれに気付かず『流れる様になった』と思ってたみたいなんですが翌日にはまた詰まったそうです。
依頼内容では高圧洗浄はした事が無いって話だったんですがここで話の食い違いがあったんで慎重にヒアリングをして作業方法を探ります。
縦管は上の通気口からも逆流してる跡があったんでラバーカップをする度に上から抜けて流れた気になってたんやと思います。
『掃除点検口を開けてドレンクリーナーで通管作業がオーソドックスかなぁ~』って思ったんですがそれは他社もやってたそうで『配管が割れてる』って言われてるからもしそれがホンマなんなら『ここからワイヤーを入れるのは危険かな』って感じです。
見ても仕方ないんですが案内されたんでトイレも見に行きました。
柄杓で掬いながらトイレを使ってたそうです。
高圧洗浄機を準備
家の前は十分なスペースがあったんで低騒音ハイパワーの高圧洗浄機を準備しました。
一応、歩道に乗り上げての作業なんでカラーコーンを使って車の横を通れない様にしました。
排水桝がこのストレートとLしか無かったんで管内カメラ調査で枝管があるのか、あるなら何処に接続されてるのかを確認しながらの洗管作業をする作戦です。
下流側から高圧洗浄をして異物を引っ張り出せるなら割と汚れずに作業が出来ると思いました。
お客様は『家の裏は既に汚れてるからどうせ後から掃除をするんだから少々汚してもかまへん、やりやすい様にやってくれ!』って言ってくれてるんですが自分が汚れたくないから下流側からの作業を選びました。
排水管を高圧洗浄で洗管作業
とりあえず今まで排水管清掃をした事が無いって話だったんで最下流の排水桝から全ての排水管を高圧洗浄で洗管作業しながら詰まりに向かう事にしました。
先発は2穴式HRノズル改 2分ホース用を起用しました。詰まってないトコに時間を掛けていられないんで最初から壁面に付着してる物も搔き出す作戦です。
自分は各区間を洗管作業したら一つずつランサーノズルで排水桝の洗浄清掃をして行きます。
ストレート桝から次のLの排水桝までを洗管作業したら先に排水桝の洗浄清掃をして行きます。
Lの排水桝からも上流側の排水管を高圧洗浄で洗管作業して管内カメラ調査して枝管を探したんですが入っても曲がりが多くて洗管ホースが上手く機能しません。
洗管ホースを1分に変更する事も考えましたが『上流側からワイヤーを通して経路を確認してからにしよっ!』って思った訳です。
掃除点検口から通管作業
掃除点検口から通管作業するのに他社がホルソーで穴を開けてビニールテープでグルグル巻きにして補修してたからそのビニールテープを剝がせば何も問題が無いのに『掃除点検口を開けてドバっと出てくる動画を撮りたい』って衝動に駆られ開けたらやっぱ返りウ〇コを浴びたんで先に上着を洗って干しときました。
掃除点検口から通管作業するのに電動フレキシロッダーCREを狭い通路に置いて作業をします。
この時点では宅内で配管が繋がれてて『キッチンの油脂の塊で閉塞してるんかなぁ~』って思っていました。
10mmワイヤーに異径グリスカッター54を装着して掃除点検口から通管作業を始めました。
駄菓子菓子…
縦管のエルボを超えて宅内に入った瞬間に何やらとんでもなく固い物に当たります。
油脂の塊で閉塞してるなら崩せる筈なんですが崩して少し進んだらまた固まるって手応えでした。
『これ、ホンマに配管が割れてるんか?』って急に不安になってきます。
ここで縦管をぶった切る事にしたんですが切ったら復旧作業があるんでその復旧作業をウチがやるのか知り合いの建築屋の社長様がやるのか聞いてみたところ『こっちで復旧作業はやるから切ってやったって!』って感じだったんで遠慮なく縦管をぶった切りしました。
ここからは逆勾配の排水管を引っこ抜く要領で排水管を閉塞させている異物を高圧洗浄で搔き出します。
宅内の異物引き抜き
ここで先日ホース屋本店様から提供を受けた逆噴射ノズルを試す事にしました。
シンショー製超旋回ノズル2穴式HRノズル改 2分ホース用で2分の洗管ホースを出してたから付け替えて試したんですがこの現場には合いませんでした。
ここで3分の洗管ホースを準備してアサダ製後方6穴ノズルをセットします。シンショー製の前方1穴後方6穴ノズルと迷いましたが出てきてたんがどうやらネコの砂っぽかったんで一気に崩しちゃいます。
崩してる過程で何やら黒い異物が出てきたんで報告しに行ったら『お母さんが使ってたラバーカップの部品や』との事です。(何も落としてないって言ってませんでしたっけ?)
その後、とんでもない量の流せないネコの砂を掻き出して詰まりは抜けました。
通管作業作業が済んだら45度の継手を簡易的に使って通水テストをして行きます。
周りには全く溶けず流れず詰まってたネコの砂が確認出来ると思います。
5時間を超える作業をギュッと縮めて数分にまとめたんでこの辺は是非とも動画をご覧下さい。
まとめ
そんな訳でいかがでしたか?流せるネコの砂も自分は『流しちゃダメ!』って言い続けてるんですが今回の現場では流せないネコの砂だったんで『そら詰まるやろ』って感じです。
知り合いの建築屋さんの社長様が間に入ってくれてたから割とスムーズにあっちがダメならこっちって何とか詰まりを解消させれましたがなるほど他社が『もう連絡せんといてくれ!』って言い出したのも頷ける難航現場でした。
とりあえず詰まりを解消出来て良かったです。現場からは以上です。
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