八尾市若林町より【賃貸マンションのトイレ水漏れ】って依頼が舞い込んできました。
いつものパイセンが管理している賃貸マンションなんですが現場に到着時には水漏れは収まっていました。
一緒に現場に入ったんで入居者様からの情報で可能性のある部品を交換する許可が出たんでとりあえず部品を交換しました。
TOTOのS517sの部品交換です。
では、この現場がどんな感じの現場やったんか詳しく解説して行きます。
まずは状況確認から
現場に到着してみると引っ越ししたてでお父様と片付けをしてる真っ最中でした。
話を聞くとトイレタンクの下辺りに水溜りが出来てたんで拭いたそうなんですがなんせ引っ越ししたてなんで家主様に連絡をしたそうです。
これ、実は大事な事で入居して水漏れや不具合に気が付いたら即連絡した方が良いんです。
引っ越し初日や1週間以内なら少々の事は家主様負担で直してもらえるからです。
とりあえず到着時には水漏れは収まってましたがトイレタンクの中からポチャポチャ水漏れの音はしてるし密結ボルトは手で緩むしって感じでした。
トイレタンクの中を確認すると密結ボルトの上にサイフォン管もズレてて被ってたんで『このまま様子見してもらうかボールタップとサイフォン管と密結ボルトの交換をするか…』ってパイセンに判断を委ねると『全部変えとけ!』って珍しく男前な即答でした(爆笑)
トイレの品番確認
さて、自分にとってはトイレの品番なんかより中を確認した方が良いんですがこの記事を頼りに部品を交換する人も居てるかもしれないんで品番確認をしました。
TOTO S517sってのがトイレタンクの品番になります。
便器の品番はちょっとピントがズレてますがTOTO C420って便器です。
もしトイレタンクの品番シールが剝がれていても便器の品番からトイレタンクの品番が割り出せる時があるんですよ。
部品を外して行きます
まずはブレードフレキホースをボールタップから外して次にボールタップを外して行きます。
ボールタップってこれの事ね。ちなみにボールタップの交換はネジを緩めて外して新しいのを付けるだけですが国家資格が必要なんですよ(モグリは持ってない)
後はサイフォン管と密結ボルトの解体撤去なんですがそれはトイレタンクを外さないと出来ません。
どない考えてもこの作業よりボールタップの交換の方が楽なのにトイレタンクの脱着作業には国家資格は要りません。
トイレタンクを外したらサイフォン管と密結ボルトを解体撤去します。
まっ、触ってみれば分かるんですがこの辺のパッキン類は古くなると手がまっくろくろすけになります。
退去後に改装する時に触っていれば良いんですが水漏れのパターンが把握できてないと入居後にこの様なトラブルになります。
ぶっちゃけ『パッキンパッキン言うならここもパッキンやぞ!』って感じ。
賃貸住宅を所有してる家主様は入居者様がなるべく長く住んでもらえる方が良いと思うんで退去後は是が非でもこの辺は交換しといて下さい。
入居後すぐのトラブルはブサイク以外の何物でもありませんから(苦笑)
新しい部品の取り付け
密結ボルトはSANEIのR44を使いました。正式名称は密結ロータンクボルトと言います。
密結ボルトの取り付けには注意が必要です。締め込み過ぎるとトイレタンクが割れるし緩いとトイレタンクから水漏れを起こします。
当然トイレタンクが陶器とは言え経年劣化で割れやすくなってるんで割れる事もあります。(ワテも1回ここで割った事があります。)
サイフォン管はSANEIのH840-38を取り付けて行きます。
密結ロータンクのサイフォン管は51か38のどちらかになりますがトイレタンクを外すまで自分もサイズは分からないんでどちらも持って行きました。
ここでワンポイントアドバイスなんですが密結パッキンを交換するんならサイフォン管セットごと交換する事を強くお勧めします。
これを言うとセンスの無い人は『何で?』って聞いてくるんですがINAXに多いんですがサイフォン管の根元に亀裂が入る事があります。
これはボールタップが干渉し始めて起こるんですが密結パッキンを交換するのもサイフォン管を交換するのもどちらもトイレタンクの脱着作業が必要なんです。
それなら外したタイミングで交換しとけば良いやんって感じ。たかだか数千円ケチって後からサイフォン管を交換するなんて自分から言わせるとダサいんです。
このタイミングでボールタップも取り付けて行きます。今回使ったのはSANEIのV56-5X-13って言う万能ロータンクボールタップです。
こいつはまあまあ優れモノで水量調整が出来て節水仕様で取り付けるとちょっと水道代が安く済みます。
ちなみにほぼほぼ水漏れ修理で伺って交換する時はお客様に聞いてどちらかを選んでもらいますがトイレ詰まりで行って交換する時は絶対に節水仕様にしません。
サイフォン管を仮付けしてボールタップを取り付けてサイフォン管の位置を微調整して本締めします。
ボールタップの浮き球がサイフォン管に干渉せず密結ボルトのプラスドライバーが入る絶妙な位置がお勧めです。
トイレタンクを載せるぞ
トイレタンクに新しい部品が取り付けれたら次は便器にトイレタンクを載せて行きます。
この時に便器側にパッキンのカスが残っていたらカッターで削り取ってから載せます。
トイレタンクを載せたら密結ボルトの締め込みをして固定をします。ここの締め込みトルクも誤るとトイレタンクか便器が割れるんで注意が必要です。(ちなみにここも1回割った事があります。)
ブレードフレキホースをボールタップに接続したら最後の難関、蓋の取り付けです。
蓋って載せるだけなんですが吐水口がボールタップと同じ左側なんで蛇腹ホースの調整が必要です。
長すぎても短すぎてもダメなんですが長いと浮き球に干渉して水が出っ放し状態なったり折れて吐水口から水が出なくなります。
また短い場合は吐水口との接続がしにくくなってしまうんで接続出来なくなってしまいます。
もしこの左左の手洗いパターンで蛇腹ホースの長さが一発で決めたら『この業者さん慣れてるなぁ~』って思って間違いないです。
トイレタンクの蓋を接続して置いたら止水バルブを開栓して通水テストをします。
今回は止水栓の交換はしてないんで自分に施工ミスが無い限りこれで水漏れしたら止水栓を疑います。
まとめ
そんな訳でいかがでしたか?
古いトイレタンクの部品はチマチマ交換せずに思い切ってが基本です。
サイフォン管なんかはパッキンだけでなくセットで交換する方が後々を考えたら絶対に良いんです。
TOTO S517sはトイレタンクに防露が無いんで結露が発生する場合があります。
これは水漏れと状況が似てるんで我々業者も迷う時があります。
そんな時は今回の様に思い切って内部部品をそっくり交換しちゃえば『じゃあ結露やったんかなぁ~』って結論を出せるでしょ(笑)
このダジャレに気付いたアナタはセンスの塊です。現場からは以上です。
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